3月3日は、日本だけでなく中国でも女の子を祝うお祭りが催されます。
その祭りの名が桃祭りであり、日本では雛人形を住居内で飾ってお祝いをします。
これは中国の宋時代に起源を持っており、当時の王妃に誕生した姫の健康と幸せを祈願するものでした。
今から約3000年も昔に起源を持つお祭りで、非常に長い歴史を有していることがわかるでしょう。
国内では3月3日は女の子の日とも言われ、この時は両親だけでなく祖父母も一緒になって、その家にいる女の子を祝うのが習わしです。
そこでここでは、日本におけるひな祭りの歴史と変遷を詳しく解説していくことにしましょう。
歳時記のひとつであるので、どなたでも催しの存在は良くご存知でしょう。
しかし、その背景にある歴史や起こりをご存知の方はごく一部です。
簡単に解説をしていくので、参考にしていただければ幸いです。

中国、韓国・マレーシア・シンガポール・インドでも、3月3日は桃の日と称される

まず冒頭でも述べたように、国内だけでなく中国、韓国・マレーシア・シンガポール・インドでも、3月3日は桃の日と称されるのがポイントです。
これらに共通しているのが仏教を重んじる国ということでしょう。
平たく言えば、ひな祭りは仏教を主軸にした教えというわけです。
日本に伝来をしたのは1250年代で、平安時代の初期の頃になります。
伝えた人物にいたっては諸説があるのですが、もっとも有力なのが最澄法師です。
この方は天台宗の開祖で、1220年に中国の長安に遣唐使として大陸に渡られました。
その後、西安で約15年間の修行をしたのちに帰国をして、滋賀県・比叡山に自身の寺を建立したわけです。
ここでは京の都の安泰を願った祈祷をなされ、その一環という形でひな祭りも実施していました。

桃の節句の意味

桃の節句の意味は当初は女の子とは無縁で、長寿を願うものでした。
桃という果物には大きな種が入っており、これが命の実といわれた所以です。
末永く京の都に平穏が訪れるようにと願いを込めた行事であったため、貴族や天皇のみしか儀式に立ち会えなかったものでした。
ところが室町時代になると、現在のような女の子を祝うスタイルへと大きく変化を遂げました。
室町幕府の8将軍・足利義政に生まれた女児の誕生日が3月3日であったことに起因をしており、その子を祝う日となったわけです。
桃の花を内裏に飾り、人形の貴族たちを飾ることで末永く安泰を願ったというわけでした。
察しが良い方であれば、なぜ雛人形が平安・室町時代の貴族の装いをしているのかがわかることでしょう。
これは起源に由来をしているからです。
なお、女児を祝うスタイルが定着をしたのは国内だけでなく、海外諸国でも同様でした。
中国なら清王朝の西太后の命により、姫に健康祈願をする日となったわけです。

現代の国内のひな祭りについて

ではここからは、現代の国内のひな祭りについて簡単に見ていきましょう。
昨今では3月3日に雛人形を飾るご家庭は、非常に少なくなりました。
日本人形玩具販売連合の調べによると、1960年から1980年までは全世帯の約80パーセントの割合で、ひな人形を飾っている結果が出ていました。
ところが1990年以降は約40パーセントにまで激減をしたほどです。
この理由はひな人形が高価な品物であると同時に、置くスペースがないというのに起因をしています。
以前は戸建て住宅が主流だったのでひな壇を飾れましたが、現代はマンションやアパートという集合住宅で暮らす方が多い傾向です。
そのため、ひな壇を購入せずにひな人形も手に入れないという若い世代が多いのでしょう。

記念フォト撮影

代わりにひな祭りで実施されるようになったのが、記念フォト撮影です。
一般的には七五三や成人式になされるものでしたが、現代ではひな祭りにもなされています。
美しいドレスや振袖を着用してスタジオで撮影をなされており、そこでは雛人形もセッティングをされているのが特徴です。
日本全国にはたくさんの写真館がありますが、このサービスを実施されているところは2000年以降に誕生をした全国チェーンが多い傾向です。
サービス名は桃祭り記念フォトと題している所が多く、今ではひな祭りを代表するサービスとなりました。
簡単に人気がある衣装について紹介をすると、純白のドレス・十二単の2種類です。
十二単に至ってはひな人形と同じスタイルとなるので、非常に多くの方が希望をされる装いです。
多くのフォトスタジオでは、計36カットの写真を大きく引き伸ばしつつ、全データをCDに焼いてくれるのが特徴になっています。
そのため、数カットはお子さんだけでなくご家族も一緒に祭りを楽しむ風景の写真を手に入れることも可能です。

まとめ

男のお子さんが居るご家庭では、このお子さんをお内裏様の衣装を着用させて雛人形に見立てて、記念撮影をなさる方もいるほどです。
撮影にかかる費用の相場は約6万円となっており、この中に衣装代も含まれます。
現代の新しいひな祭りを経験されるのも一興で、そのうえで従来までの雛人形を飾ってもいいものです。

雛人形おしゃれ

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